現在の動的ルーティングの標準ツールは quagga
で、quagga
は同名のパッケージに含まれます。以前の標準ツールは zebra
でしたが、zebra
は開発中止となったため quagga
に取って代わられました。しかしながら、quagga
は互換性の理由からプログラムの名前に zebra
を使っています。
Quagga は複数のデーモン群で、これらが協力して Linux カーネルの使うルーティングテーブルを定義します。各ルーティングプロトコル (中でも注目すべきは BGP、OSPF、RIP) に対して専用のデーモンがあります。zebra
デーモンは他のデーモンから情報を収集し、その情報に基づき静的ルーティングテーブルを操作します。ここで他のデーモンとは、bgpd
、ospfd
、ospf6d
、ripd
、ripngd
、isisd
、babeld
として知られています。
これらのデーモンを有効化するには、/etc/quagga/daemons
ファイルを編集し、適切な設定ファイルを /etc/quagga/
の中に作成してください。さらに、この設定ファイルはデーモンにちなんで命名され、.conf
拡張子を付けられ、quagga
ユーザと quaggavty
グループに所有されなければいけません。これは /etc/init.d/quagga
スクリプトが対象のデーモンを呼び出せるようにするためです。
デーモンを設定するには、対象のルーティングプロトコルに関する知識が必要です。ここではそれぞれのプロトコルの詳細を説明できませんが、
quagga-doc パッケージに含まれる
info
ファイルで十分な説明が行われています。また、同じ内容を Quagga のウェブサイト上で HTML として閲覧するほうが簡単かもしれません。
加えて、設定構文は標準的なルータの設定インターフェースととても似ているため、ネットワーク管理者は quagga
に素早く順応するでしょう。