man manual-page
と打ってください。コマンドのマニュアルページは通常、文書を探しているコマンドと同じ名前で閲覧することが可能です。たとえば、cp
コマンドで使えるオプションを学ぶには、シェルプロンプトで man cp
コマンドを入力してください (補注「BACK TO BASICS シェル、コマンドラインインタプリタ」を参照してください)。
read
コマンドは read
システムコールと同じ名前です。そんなわけで、マニュアルページは各分類にセクション番号を付けて整理されています。
/dev/
ディレクトリに格納されています)。
read
システムコールに関する文書を見るには、man 2 read
と入力してください。セクション番号を指定しなかった場合、指定した名前に関するマニュアルページが最初に見つかったセクションから内容が表示されます。そんなわけで、man shadow
は shadow(5) を表示します。なぜなら、shadow に関するマニュアルページは第 1 セクションから第 4 セクションの間に存在しないからです。
apropos
コマンドです。apropos
コマンドはマニュアルページ内、正確に言うと短い説明文内を検索します。それぞれのマニュアルページは基本的に 1 行の要旨から始まります。apropos
はマニュアルページの要旨にキーワードを含むプログラムのマニュアルページのリストを返します。キーワードをうまく選べば、必要なコマンドの名前を見つけることができるでしょう。
例 7.1 apropos
を使って cp
を探す
$
apropos "copy file"
cp (1) - copy files and directories cpio (1) - copy files to and from archives gvfs-copy (1) - Copy files gvfs-move (1) - Copy files hcopy (1) - copy files from or to an HFS volume install (1) - copy files and set attributes ntfscp (8) - copy file to an NTFS volume.
man
コマンドがマニュアルページを調べる唯一の方法というわけではありません。(KDE が開発した) khelpcenter
および konqueror
と (GNOME に含まれる) yelp
プログラムも同じ用途に使うことが可能です。また、man2html
パッケージが提供するウェブインターフェースもあり、ウェブブラウザからマニュアルページを閲覧することも可能です。man2html
パッケージがインストールされているコンピュータで以下の URL を使ってください。
man2html
ユーティリティを動かすにはウェブサーバが必要です。このため、man2html
サービスをインストールするマシンは管理下にあるサーバの 1 台だけにするべきです。こうすることで、ローカルネットワークのユーザは全員 (非 Linux マシンでも) man2html
サービスからの恩恵を受けることができますし、HTTP サーバを各ワークステーションにセットアップする必要がなくなります。man2html
サービスをインストールしたマシンに他のネットワークからもアクセスできる場合、man2html
サービスにアクセスできるのはローカルネットワークのユーザだけに制限することが望ましいです。
manpages.debian.org
サービスを使えば、自分のコンピュータにインストールされていないマニュアルを含むすべてのマニュアルを見ることができます。このサービスはすべてのマニュアルページを Debian リリース毎に提供しています。
info
と呼ばれています) は若干理解に苦労するものです。info
の代わりに pinfo
(pinfo パッケージに含まれます) を使うのが賢明かもしれません。
pinfo
をパラメータなしで実行した場合、最初の階層から利用できるノードのリストが表示されます。通常、ノードには対応するコマンドの名前が付けられています。
pinfo
でノード間を移動するには、矢印キーを使います。もう 1 つの方法として、グラフィカルブラウザを使うこともできます。これはずっとユーザフレンドリーな方法かもしれません。info 文書に対応するグラフィカルブラウザとして、先に紹介した konqueror
と yelp
があります。さらに info2www
はウェブインターフェースを提供します。
man
ページシステムと異なり翻訳に適さないシステムであるという点に注意してください。そんなわけで、info 文書はほとんど常に英語で書かれています。しかしながら、pinfo
プログラムに対して存在しない info ページを表示するよう要求した場合、プログラムは同名の man ページを (存在すれば) 表示します。これは翻訳されているかもしれません。
README
ファイルは提供されています。README
ファイルは /usr/share/doc/package/
ディレクトリにインストールされます (ここで package はパッケージ名を示します)。README
ファイルのサイズが著しく大きな場合、README
ファイルはプログラムのメインパッケージに含まれないかもしれません。この場合、通常 package-doc
と名付けられた専用の文書パッケージに含まれています。メインパッケージは通常文書パッケージを推奨します。そうすれば、ユーザが簡単に文書を見つけられるからです。
/usr/share/doc/package/
ディレクトリには Debian の配布するいくつかのファイルが含まれています。これらのファイルは、ソフトウェアを昔ながらの方法でインストールした場合と比較して、パッケージからインストールした場合に固有の特殊性および改良点を具体的に述べることで、README
を補完しています。README.Debian
ファイルには、Debian ポリシーに適合させるために行ったすべての変更が書かれています。changelog.Debian.gz
ファイルには、パッケージに対して行われた変更履歴が書かれています。すなわち、このファイルは挙動が違う 2 つのインストール済みバージョンの間でどのような変更が行われたかを理解するのにとても役立ちます。最後に、NEWS.Debian.gz
ファイルが含まれる場合があります。このファイルには、プログラムに対して行われた修正のうち、管理者に直接関わる可能性のある主な修正が書かれています。
debian
を追加することにより、検索結果を絞り込むか関連する情報に狙いを定めることが可能です。
apt show package
) Homepage
フィールドがあるか確認してください。別の方法として、パッケージ説明文にプログラムの公式サイトへのリンクが載っているかもしれません。URL が見つからなければ、/usr/share/doc/package/copyright
を確認してください。Debian メンテナは通常このファイルの中に、プログラムのソースコードを手に入れた場所を示しており、これこそが探しているウェブサイトのものである可能性が高いです。それでもなおウェブサイトがわからない場合、たとえば FSF の フリーソフトウェアディレクトリなどのフリーソフトウェアディレクトリを確認するか、Google、DuckDuckGo、Yahoo などの検索エンジンで直接検索してください。